中世ヨーロッパの建築について調べている方へ、おすすめの本を6冊選びました。
中世ヨーロッパではどんな人が建築をしていたのか
中世ヨーロッパの建築現場について知りたい
中世ヨーロッパの建築を知りたい人にオススメの本6選
図説 西洋建築の歴史 新装版 (ふくろうの本)
ヨーロッパの建築についてざっくりした流れがわかる本です。
文字通り、中世に限った内容ではありませんが、前後の歴史も知っておくと、中世についての理解も深まります。
図が多めでわかりやすいのも良いですね。
図説 キリスト教会建築の歴史 (ふくろうの本/世界の歴史)
キリスト教教会にしぼった建築に関する本です。中世に限らず、古代ギリシア・ローマから近代建築まで幅広く扱われています。
『図説西洋建築の歴史』と同様、図が多めでわかりやすく、入門書として最適です。
ミサや聖書との関係も考察されているのが興味深いですね。
図説 大聖堂物語 新装版 (ふくろうの本/世界の文化)
さらに絞って、大聖堂の建築についての本です。
中世ヨーロッパの建築といえば大聖堂は欠かせません。中世ヨーロッパの建築家にとって、大聖堂建築は憧れでした。
豊富な図とともに、大聖堂建築に関わる基本的な用語の説明も丁寧なので、特に大聖堂の建築について知りたい場合の入門書としてオススメです。
ふくろうの本、実に三冊目。ふくろうの本シリーズは、図が多くてわかりやすいところや、参考文献が豊富なところが、最初に手に取るのに最適です。
中世仕事図絵―ヨーロッパ、“働く人びと”の原風景
中世のチェコにおける様々な仕事について、豊富な図から読み解く本です。
建築に限った本ではないのですが、建設現場やその危険性、鉋(かんな)かけや製材など、かなりマニアックな仕事についても解説されていておもしろいです。
建築以外にも、職人や写字生、鉱夫などなど、実に様々な仕事のことがわかります。
大聖堂を建てよう -制作に役立つゴシック建築のしくみ-
ゴシック建築によって大聖堂を建てる様子を詳細に考察・再現した本。イラストも交えて説明されている他、基礎を作るところからしっかり描かれているのが特徴的。
タイトルは楽しそうですが、分厚くて大きくて、とんでもない鈍器な上に、内容もなかなか重厚です。
カテドラルを建てた人びと
誰がお金を出してどんな人が大聖堂を建てたのか? 大聖堂にまつわるあれこれを具体的に、かつコンパクトにまとめた名著です。現代の中世ヨーロッパの大聖堂建築に関する本において、だいたい参考文献として上がっているテキストでもあります。
かなり古く手に入りにくいのですが、とても詳細でわかりやすいので、オススメの一冊です。
番外編:小説『大聖堂』
学術書ではなく小説ですが、ケン・フォレット著『大聖堂』も、中世の建築を知る上でオススメです。大聖堂建築を手掛ける建築職人が、様々な苦難を乗り越えるお話です。
具体的な建築工程はあまり出てこないのですが、大聖堂建築への建築家の憧れは凄まじいものであること、大聖堂建築のお金を集めるのが本当に大変であること、大聖堂建築の周りでは何が起きているか、といったことについても深く描かれています。
中世の時代を扱う小説には付き物ですが念のためお伝えしておくと、凄惨な描写が多いので、心が元気なときにお手にとってみてください。
まとめ 中世ヨーロッパの建築を知るのは楽しい
中世ヨーロッパの建築を知りたい方に向けて、オススメの本をご紹介してきました。
初めて勉強する場合は、図が多めの本から入って、独特の用語に慣れてから文字メインの書籍に移行すると理解がスムーズです。
色々読んでいるとわかりますが、大聖堂はわりと適当に建てられています。経験上、こうしたら倒れないからこの方法を使う、といったように、特に根拠はない話が多くてびっくりするとともに、興味深くもあります。
ぜひ、独特の世界に足を踏み入れてみてください。